登校拒否する理由は様々だと思いますが、
我が家の長男の場合、
圧倒的に[腹痛]によるものでした。
中学生になると、
腹痛で登校出来ない日が急激に増え、
次第に不登校へと進んでいったんです。
どうして腹痛が起こるのか?
子どもがそう訴えた時、
親はどう対応したらいいのか?
この記事では、長男の実例をあげて、
気づいた事をおすそわけしたいと思います。
つい、学校に登校させようと必死になってしまう方にこそ、
是非一読していただきたいです(^^)
登校拒否する事が多くなった長男。SOSだと気づきながらも登校を促した私

我が家の長男は、
小学校6年生から、
腹痛などで登校拒否する事が多くなり、
中学生になると、その日数は激増しました。
知り得る限りの原因としては、
・リフォーム工事による
環境の変化と、
工事による粉塵の影響
・運動会などの学校行事が苦手
・クラスメイト全員の前で、
苦手な先生に怒られてばかりな事
などが、ありましたが、
[親の私には言えない事]
も、あるようでした。
中学生になってからは、
なぜか分からないけど、
朝になると毎日腹痛が起こるようになり、
とても学校に行ける状態ではなく、
登校拒否ばかりしていました。
それは、長男が発信した
[SOSサイン]だという事に、
私は気づいていましたが、
学校に行かせる事が長男のため
と、思っていた私は、
少しでも早く体調が回復するよう、
掛かりつけの医者などに連れて行き、
もらった薬を飲ませた上で、長男に寄り添い、
回復の兆しが見えてきたら、
はっぱを掛けて、登校を促すようにしていました。
そして長男は、
そんな私の期待に応えるかのように、
短時間だけ別室登校するよう頑張っていました。
登校しようとすると拒否反応が・・・。不登校が始まった中学生の長男

長男の体調は、
一時的に良くなる事もありましたが、
元々繊細な上、
ストレスを溜め込みやすい長男の自律神経は日に日に乱れ、
[過敏性腸症候群]と、
[起立性調節障害]を発症。
学校に行こうとすると
[拒否反応]による腹痛が出るようになったのをきっかけに、
二度と中学校に登校する事はありませんでした。
不登校の始まりです。
不登校を気にしなくなった長男。[学校は行くべき]周りの大人の考え方が子どもにもたらす影響

それからの長男は、一切勉強をせず、
自室で好きな事だけして、
淡々と日々過ごしました。
腹痛を言い訳に、
外出を拒んで部屋に引きこもるようになり、
学校に行けなくても別にいいでしょ?
と、まるで言わんばかりでした。
その頃の私は、
長男を何とか助けてあげたい一心で、
色々ネット検索しては、
長男に有効そうな対応を学び、
実践するようにしていました。
以前のような
[登校を促す]事はスパッとやめ、
長男の登校拒否を受け入れるよう
対応を変えていったんです。
登校拒否する理由は、
子どもにより様々ですが、
もし、[腹痛]が理由だとしたら・・・。
そして長男のように、
自分でもなぜか分からないけど朝になると[腹痛]が起こる場合、
それは、子どもが
SOSを発信している
と、確信出来るようになりました。
言葉では言えない代わりに、
体が訴えているんだ
・・・そう思えるようになったんです。

こういった子どもは、
学校に行きたくない
と、いう気持ちが、
間違いなく心の中にあるんです。
ところが、常日頃から周りの大人達が
学校は行くべき
と、考えを押し付けてばかりいたらどうでしょう?
「学校に行きたくない」と、
口に出す事は[いけない事]
と感じ、
無理矢理、自分の意識の奥深くまで、
[本心を閉じ込めてしまう]
事にならないでしょうか?
そして、
[学校に行きたくない気持ち]
に、限界が来て、
[腹痛]という形で体が訴えたとしても、
痛いのは、
[学校に行きたくないから]
じゃないよ?
と、周りの大人だけでなく、
自分にすら
[嘘をついてごまかす]
ようになってしまうんじゃないでしょうか。
特に、繊細で人に気をつかい過ぎる
[HSC]傾向の子どもや、
日頃から怒られないよう行動してしまう
[いい子タイプ]の子どもは、
相手に合わせた考え方や行動ばかりして、
自分の気持ちや、
やりたい事を後回しにしがちなので、
ごまかしてばかりいるうちに、
自分で自分が
分からなくなってしまうのではないでしょうか。
だから、腹痛が出た時に
???状態になるんだと、
長男を長年見ていて、そう感じたんです。
登校拒否する長男をさらに追い詰める[NG]な声掛け

子どもが[学校行きたくない]
と、正直に訴えてきた場合、
どれだけの親がすんなりと
分かった。じゃあ今日は休もうか
と言ってあげられるでしょう・・・?
恐らくほとんどの方が、
よほどの事情がない限り
学校に行かせようと必死に説得する
のではないでしょうか?
私達親世代は、
[学校に行く事が当たり前の時代]
を、生きてきました。
実際、私は学生の頃
学校に行きたくないな・・・
と、思う日は山ほどありましたが、
[学校に行かない選択]をするなんて、
これっぽっちも考えた事がありませんでした。
だからこそ、子どもにも
学校は行くべき
と、その価値観を押し付けてしまう大人は多いと思うんです。
実際私も、長男が登校拒否し始めた頃は、
熱はなくて腹痛だけなら
登校しようよ?
あまりにも辛かったら
早退すればいいからさ
欠席日数が
30日超えないようにするんだよ?
中学生やり直しになるといけないから
高校受験の時に不利になるから、
遅刻や早退でいいから
少しでも登校して、出席日数稼ごう?
など、色々脅迫めいた事ばかり言って、
長男を追い詰めるようなNG対応をしていました。

結果的に、頑張り屋の長男は、
体調が少し良い時は別室登校していたわけですが、
本当は登校したくないという
[本音]を押し殺し、
無理して登校していた結果、
もっと心身を病み、
完全不登校に進んでいってしまったので、
親として間違った対応をしてしまったと、
どれほど後悔したかしれません・・・。
子どもがSOSを出せるよう、常日頃から子どもの話に耳を傾けよう!

・日頃から、
子どもが話してくれる何気ない事を
[否定]ばかりする
・子どもが
困っている事を打ち明けてくれた時、
安易に
「大丈夫大丈夫」と、楽観的に返して
真剣に向き合おうとしない
・子どもが
「ねぇねぇ」と話し出した時に、
忙しさを理由に
「ちょっと待ってね」と、
後回しにする
・子どもの話を
[うわの空]で聞いて
[生返事]ばかりしている
これらは過去、
長男に対してやってしまった私のNG対応ですが、
このような対応を繰り返していると、
子どもは
ちゃんと聞いてくれない・・・
と、親に話す事を
[あきらめる]ようになります。
そして、いざ深刻な悩みが発生した時、
親に相談出来ず、
1人、内に秘めて
心身に影響が出る場合があるんです。
何を隠そう、この私自身も過去
〝そうだった〟から間違いありません。
NG対応をしていた自分の過ちを認め、OK対応に路線変更!

私は[学校に行く事が当たり前]
で、あるがゆえに、
とても辛い中学生・高校生時代を過ごしました。
母に困っている事を打ち明けて、
解決策を見い出そうとした事もありましたが、
楽観的に返され、
真剣に取り合ってもらえなかったため、
それ以来、辛さを1人抱え込み、
親にも友人にも誰にも相談出来ず、
毎日が地獄でした。
([辛かった過去]については、こちら ↓)
しんどい状況の中、
当時まだ高校生だった私は、
未来の自分に向けて
[決意していた事]がありました。
将来、私の子どもが何か悩んだ時、
絶対力になるんだ!
ところが実際、
長男の問題に直面した私は、
全然力になれてなかった・・・。
むしろ長男を追い詰め、
将来、こんな母親にはなりたくない
と、嫌悪感を抱いていた
[自分の母親の姿]に近づいていたんです。
そこに気がついた私は、
自分の間違いを認め、
自分を改め、
今からでも遅くない!
今度こそ長男を救うんだ!
という強い気持ちで、
長男への対応を、
正しい方向へ路線変更していきました。
自分の子どもには、
1人で抱え込むような
辛い思いをさせない!
と、改めて決意する事が出来たんです。
登校拒否し、SOSを出す中学生への正しい対応方法とは?

具体的には、
「腹痛があるから無理」
と、言い、登校拒否した時
➔「分かったよ」
と、そのまま受け止め、
余計な一言は一切言わずに、
希望通り休ませる
「昼夜逆転生活を続けたい」
と、言った時
➔「やってみたいんだね。
じゃあやってみる?」
と、GOサインを出す
こうして、長男が決めた事を
とにかくそのまま受け止め、
理解を示すよう努める事にしたんです。
本当はこうした方がいいんじゃ・・・
と思う事があったとしても、
グッとこらえ、
長男の意思を
とにかく受け入れるようにしました。
これを繰り返す事で、長男に
お母さんは、
オレの気持ちを分かろうとしてくれてる
と、感じてもらいたかったし、
本当に困った時、1人で抱え込まず
お母さんに話してみよう
と、[頼りにしてもらえるような存在]
に、なりたかったのです。
すると、この取り組みは功を奏し、
まず、私自身に変化があらわれ始めました。
学校は行くべき
と、ガチガチだった私の堅い考え方が、
ゆるやかに解凍していき、
学校には行かなくても何とかなる!
と、心底思えるようになれたんです。

実際、勉強する気になれば、
学校以外でもネットを活用するなどして、
いくらでも出来る時代ですし、
学歴なんかなくても、
就ける職業はあるはずです。
そういった世の中の現況が、
私の中にあった[不安]を
[安心]に変える後押しになった事
も、大きかったです。
・・・と同時に、登校拒否し続ける長男に対して、
今までどうしても言ってあげられなかった
[ある一言]が言えるようにもなれたのです。
母の言葉が影響? 苦しみ続けた腹痛からようやく解放された長男

ある日、長男と会話していた時の事です。
まだ毎日腹痛がある
と、長男は教えてくれました。
以前、長男は
腹痛がなくなったら
登校したいんだけどね・・・
と、話していた事があったので、
今現在どう思っているのか、
再確認したところ、
まだその気持ちは変わらない
との事でした。
さらに以前、
高校行くか分かんない
中卒でも、ちゃんと大人になってる人
たくさんいるでしょ?
と、びっくり発言をしていた事もある長男なので、
私は思い切って
このセリフを長男に伝えたんです。
腹痛がなくなったとしても、
学校に行きたくないなら、
行かなくてもいいとお母さんは思うよ
学校行かなくったって、
何とかなるさ!

なぜ、このセリフを伝えようと思ったのか?
もしかしたら長男は、
学校を休みたい・・・けど、
ただ[休みたい]と言っても
[休ませてもらえない]と思っている
と、感じていたからです。
それまでの私は、心のどこかで
少しでも学校に行ってほしい
と、いう思いがなかなか消えず、
どうしても言ってあげられませんでした。
でも、本当に長男の事を思うなら、
目先の中学校に
[行く][行かない]ではなく、
もっと先の将来、
長男が生きやすい未来を手に出来るよう、
応援する事の方が大事だと気づいたんです。
長男は顔色1つ変えずに聞いていましたが、
私のその発言から1~2ヶ月後、
長男をあんなに毎日苦しめた[腹痛]が、
完全になくなったんです!
やはり、一番身近な親の言葉の影響力は
とても大きいんだと感じ、
もっと早く言ってあげられれば・・・
と、反省させられた出来事でした。
長男の本心。登校拒否の理由

そして長男はようやく
[本音]を教えてくれました。
学校には元々行く気なかったし
・・・その言葉を聞いた時、
やっぱりそれが本音なんだ・・・
今までその本音が出ないよう、
押し殺していたんだな・・・
と感じました。
だから、長男が正直に本心を打ち明けてくれた事、
本当に嬉しかったです。
[心を開ける相手]として認められた事になるし、
1人で悩みを抱え込んでいない証拠だからです。
長男曰く、腹痛が始まったばかりの頃は、
本当に自分でも良く分からず
不思議だったそうです。
でも、学校に行かなくなり、
外出する頻度も少なくなって、
自分の体と向き合う時間が、たくさん取れるようになった事で、
自分の事が理解出来るようになったようなんです。
学校行くのは、まぁ別にいいんだけど、
面倒な事が多すぎる。
だから行こうとすると腹痛が起こる
初めて行く医者とか、
人が多い場所とか、
緊張しそうだと腹痛が起こると分かった
と、気づいた事を話してくれました。
それに長男は、人並み以上に人目を気にするため、
家から一歩出た途端、
すれ違う人や車に、
どう見られているのかが気になり、
・すれ違う時、
顔を下に向けたり、
横にそむけて歩く
・どんなに暑い日でも
マスクを着用する
などを徹底してやっていましたし、
幼少の頃から
繊細で[HSC]傾向もあるので、
・歩いていると、
ハエや蚊が寄ってくるのがイヤ
・木の多い道に張ってある
クモの巣に引っ掛かるのがイヤ
・道路に干からびているミミズなどの死骸
を、踏みそうになるのがイヤ
という理由で、
あんまり外は歩きたくない
と、登下校時の不快感を
正直に語ってくれました。

さらに、元々人に気をつかい過ぎる長男は、
登校すると、
1日中人に気をつかってしまうから、
すごく疲れる・・・
と、気質ゆえに
しんどかった思いを語ってくれて、
登校拒否した理由を
[全て吐き出してくれた]んです。
登校拒否はSOS。否定せず勇気をもって受け入れよう!

「そんな事」と、思われるかもしれませんが、
繊細な長男からしたら、
生きていく上で、とてもしんどい重要な問題
なんです。
そこを否定せず、
そっか、イヤなんだね
と、共感し、認めてあげる事で、
分かってもらえた・・・
話して良かった・・・
と、安心する事が出来れば、
今後も内に溜め込まず、
ありのままの自分の姿を、さらけ出してくれるはずです。
そしてもう1つ、
共感して終わり・・・ではなく、
じゃあ、歩きたくないなら
車で送ってあげようか
と、いった
[具体策を提案]してあげる事も
同時に大切だと感じたんです。
特に長男のような、
繊細で人に気をつかいすぎる
[HSC]タイプの子どもは、
甘えたり、頼ったりする事が苦手な場合が多いです。
こちらから提案してあげる事で、
言いづらかったから、助かった・・・
と、より安心させてあげられると感じました。
万が一、提案した結果、
登校拒否したとしても、
それはそれでいいんです。
お母さんは、
オレのつらさを分かろうとしてくれてる…
と、感じてもらえる事が[重要]だと思うからです。
このような対応を繰り返せば、
きっと安心して、
今後何か困難にぶつかった時も、
自分だけで何とかしようと抱え込むのではなく、
困っている事を正直に話し、頼る事が出来るのではないでしょうか?
私は、そういった[親子関係]を築きあげ、
それをずーっと継続する事を、
今、目指しています(^^)

登校拒否は、子どもからのSOSサインです。
中学生に限らず、
小学生・幼稚園・保育園児も
腹痛などを訴え、休みたがる場合があると思います。
親は忙しく、時間もなく、
丁寧な対応は出来ないかもしれません。
でも、やる事はただ1つ。
SOSを受け入れて休ませる
これが一番大切だと思います。
子どもはただ、
学校などに行きたくない気持ちを
分かってほしいだけ、なんですから。
子どもだって、ある程度の年齢になれば、
自分の将来を、子どもなりに考え始めます。
ずっと引きこもりのままで良いや・・・
と、思うか、
このままじゃさすがにマズイ!
そろそろ登校しようか・・・
と思い、動き出すかは
[子どもが決める事]です。
長男は現在、通信制高校を選択し、
ずっとやっていなかった勉強を、
やるようになりました。
親の私達は、余計な口出しをせず、
子どもが決めた道がどんな道であれ、
否定せずに応援出来る
[無償の愛]を届けられるようになりたいものです(^^)