中学生に限らず、
不登校になってしまった子どもの中には、
時間の経過と共に、
勉強したくない気持ちが増え、
無気力になっていく事がとても多いようです。
[引用]
2024年10月31日
文部科学省作成資料より
「やる気が出ない」が、
不登校理由の第1位

この先の進路などを考え、
どうにかしなければ!(>_<)
と、焦る気持ちが湧き上がってくるのは
親として当然の事だと思います。
ですが、焦る気持ちは時として
[親子関係を悪化]させてしまう事につながりかねません。
この記事では、実際に
無気力になってしまった長男の実例を挙げ、
再び、
勉強始めようかな
と、いう気持ちに変化していくまでを
おすそわけします。
- 勉強やテストが好きだった長男。中学生になっても変わらず好きだったが・・・
- 学校の好意で[テストを自宅で受験]した長男だったが・・・
- 自力で受けたテスト。思った以上に解けなかった長男
- 自信を失い、勉強したくない気持ちがあらわれる
- 無気力になってしまった長男
- 勉強したくない気持ちから、不登校を選択。その時、親は…
- 中学生の不登校生徒用ネット学習をすすめてみたが…
- 高校にも行かないかも…。その発言に親はどうしたら良い?
- 高校受験間近。長男に気持ちの変化が…
- 再び勉強を始めるようになった長男。そのきっかけとは?
- 久しぶりの勉強は[得意な教科]からがベスト
- 現在の長男。[やる時はやる]スタイル
- 子どもが勉強したくないと言った時、親はどう対応するのが正解か?
- 子どもが再び動き出すため、日頃からやっておきたい事とは?
勉強やテストが好きだった長男。中学生になっても変わらず好きだったが・・・

長男は、小さい頃から
どの教科もまんべんなく出来る、
とても優秀な子どもでした。
苦手な科目はもちろんありましたが、
得意な科目でその分カバーし、
総合的に見れば、
学年上位に入る成績をいつもキープ。
本人も、そんな[出来る自分]を
嬉しいと感じていたようでした。
テスト前は、毎回緊張する様子はかけらもなく、
「テスト好きだし」
と、ひょうひょうとした態度で臨んでいたし、
テスト後は
「全部、とりあえず埋めた。
多分、90点以上は取れると思う」
など言い、
テスト自体を楽しんでいるようにも見えました。
そんな、一見順風満帆な人生を送っているかのように見えた長男でしたが、
中学生になると暗転し始めます。
腹痛やその他理由で、
登校出来ない日が多くなった事がきっかけでした。
体調が良い日は、遅刻して別室登校し、
自習していましたが、
教室に行く事は拒み、
授業を受けていない状態がしばらく続きました。
それでもテストが好きで、
どうしても受けたい思いが強かった長男は、
テスト前、何とかギリギリ体調を回復させ、
無事に受ける事が出来ていました。
中学2年の6月に行われたテストまでは・・・。
学校の好意で[テストを自宅で受験]した長男だったが・・・

事態が急変したのは、
中学2年の9月に行われたテスト後でした。
夏休み中にすっかり体調が良くなったものの、
夏休み明け登校初日に再発し、
再び登校出来なくなってしまった長男…。
9月に入ると、すぐテストがあります。
テストが好きな長男は、
「テストは、絶対行くよ!」
「テストは、出来れば教室で受けたい」
と、意欲的に発言していました。
ところが無情にも、
テスト当日、体調が回復せず、
教室どころか、
別室でも受ける事が出来なかったのです。
予備日も設けられていましたが、
その日も行く事が出来なかったため、
担任の先生に相談し、
[自宅受験]させてもらいました。
無事に全教科終え、
ねぎらおうと長男のところに行った時の事です。
以前と同じように、
テストの手応えを話してくれたのですが、
「最後の問題やる前に、時間が来て、
そこだけ白紙だ…」
「ワークとか
教科書に載ってない問題が出て、
全く分からなかった…」
と、沈んだ表情と声色で、
予想以上に解けなかった事を
正直に打ち明けてくれたのです。
自力で受けたテスト。思った以上に解けなかった長男

その状況…、
長男にとっては[予想外]のようでしたが、
私にとっては[想定内]でした。
長男は、欠席した日は、
のらりくらりと過ごしていましたが、
別室登校時は、
ワークと呼ばれる問題集をこなしたり、
学校から配布されたプリント類を解いて
自習をしていました。
ですが、
教室に行く事を拒んでいたため、
当然、授業は受けていません。
テストに出題される問題の中には、
授業に出ているからこそ解ける問題もきっとあるはずです。
6月のテスト以降、
1回も授業に出ていない長男は、
今回のテスト範囲の授業を全く受けておらず、
自力で受験した事になります。
恐らく、応用問題になると
解けない問題が出てくるだろうな・・・
私はそう予想していました。
なので、長男が
沈んだ表情で、さきほどのセリフを言った時、
私はすかさず、このように声を掛けたんです。
「でも、
最後の1問以外は書いたんでしょ?
充分すごいじゃん!」
「授業出てないんだから、
解けない問題があるのは当たり前だよー」
ところが、長男の表情が
明るくなる事はありませんでした・・・。
完璧主義の長男は、
解けない問題があった事や、
時間配分に失敗し、
時間が足りなくなってしまった事が悔しく、
そんな自分が許せないようでした。
自信を失い、勉強したくない気持ちがあらわれる

後日、採点されたテストが戻ってきました。
やはり長男のイヤな予想は的中し、
見せてもらった私も
[こんなものだろう]
と、いう点数でした。
ですが、暗い表情の長男を慰めたい思いから、
私は、こう声を掛けたんです。
「授業出ていないのに、
これだけ点数取れれば大したもんだよ!」
前向きな声掛けをしたつもりでしたが、
長男には全く響かず、
自信を失った長男は、それ以降、
勉強に全く手をつけなくなってしまったんです・・・。
欠席日数が増えれば増えるほど、
成績も順位も下降している事は、
長男自身が一番良く分かっていました。
あきらめ癖のある長男は、
もう頑張っても意味がない
と、判断してしまったのです。
無気力になってしまった長男

中学1年生の時、
「学校で配られたプリント、
休み時間にやっちゃったから
家でやる事ない」
と、言うので、長男と相談し、
自宅学習用にと、始めたばかりの
[●●ゼミ]のタブレット学習は
学習机の片隅に追いやられて、
手つかず状態になり、
私が学校まで取りに行き、長男に渡した
学校から配られるプリント類も、
目を通す事なく、机上にどんどん積まれ、
放置状態に…。
それだけにとどまらず、
長男の部屋全体が収拾つかなくなるほど
乱雑な状態にもなり、
無気力化してしまったのです。
「(整理など)やる気ない…」
「今、勉強したくない…」
と、胸の内を包み隠さず
正直に打ち明けてくれてはいましたが、
無気力化が急激に進んだこの時期、
私は、長男が心配で、
何とか助けてあげられないか、と、
今まで以上に毎日ネットで色々調べては、
効果がありそうな事は試し、
とにかく気苦労が絶えず、
神経をすり減らしていました。
勉強したくない気持ちから、不登校を選択。その時、親は…

勉強したくない気持ちは、
再登校する可能性を
急激に低下させていきました。
9月のテスト後は、
腹痛を理由に別室登校すら拒否。
完全に不登校状態へと悪化していったのです。
そもそも別室登校していたのは、
翌年に控えた、高校受験時に影響が出ないよう、
少しでも
[欠席日数を減らし、出席日数を増やすため]
でした。
ですが、別室登校すれば、当然
勉強しなければなりません。
長男の勉強したくない気持ちは、
腹痛という形であらわれ、
まるで、学校に行く事自体を拒絶するかのように、
今まで以上に毎日続きました。
長男は、欠席日数が増え続けている事など
全く気にする様子もなく、
相変わらず、ひょうひょうと過ごしていましたが、
これ以上欠席日数が増えれば、
高校受験の時に不利になってしまう事を危惧した私は、
以前から気になっていた
在宅学習した分を出席扱いに出来るという、
中学生の不登校生徒用ネット学習を、
再度深く調べ、
長男にやってみるか提案してみたんです。
出席日数だけでも稼いでおけば、
きっと入れる高校はあるはず・・・
そう思ったからです。
中学生の不登校生徒用ネット学習をすすめてみたが…

「勉強したくない」
と、言っていた長男でしたが、
1週間だけと短い事もあり、
無料体験には挑戦してくれました。
しかし、この学習方法は
解答をノートに[手書き]しなければならず、
●●ゼミのタブレット学習で、
タッチペンで画面に直接書き込む事に慣れていた長男にとっては、
面倒で非効率的な、この学習は
[不向き]でした。
よって、無料体験すら
1週間まるまるこなす事なく、
途中でやめてしまう、
残念な結果になってしまいました。
高校にも行かないかも…。その発言に親はどうしたら良い?

[出席扱い]になるネット学習を、
長男に却下された私は、
途方に暮れました・・・。
増え続ける欠席日数を食い止める希望が
1つ、絶たれてしまったのですから…。
結局このまま
何もしてあげられないのだろうか・・・
という不安が、後を絶ちませんでした。
さらに長男は、
「別に高校行かなくても、
中卒でも大人になってる人、
いっぱいいるでしょ?」
と、言ってのけ、
中学校だけでなく、
高校にも行かないかもしれないと、
さらなる不安をあおったのです。
高校受験間近。長男に気持ちの変化が…

中学生の、
不登校生徒用ネット学習を体験して以後、
再び勉強したくないと言い、
手をつけなくなった長男。
中学3年に進級した長男は、
相変わらず、不登校を貫き、
のらりくらりと
YouTubeを見て毎日過ごしていました。
転機が訪れたのは、中学3年の12月。
中学校で行われる三者面談で、
長男の進路について担任と煮詰めるため、
その前に長男の考えを聞いておこうと、
今後について尋ねた時、
長男の口からこんな発言が飛び出したんです。
「高校ぐらいは
行っといた方がいいんじゃない?」
「あ、でも受験勉強しないと
入れないようなとこは行かない
1年以上勉強してないから(^_^;)」
突然のこの言葉に、
私は、とても驚いたと同時に、
ホッ・・・としました。
高校は行かないかもしれない
と、匂わせていた長男の口から、
高校に行く事にした
とも取れる言葉が聞けたのですから!
どうやら、
やっぱり高校くらいは
行っておいた方がいいか…
と、考えを改めたようなんです。
しかも長男は、
数多くある通信制高校の中から、
その日のうちに1校即決し、
あれよあれよという間に、
高校入学に向けて、事態は急展開したんです。
再び勉強を始めるようになった長男。そのきっかけとは?

中学3年の2月、
書類審査・zoom面接をクリアした長男は、
無事、合格内定通知をもらう事が出来ました。
そして、面接をしてくれた高校の先生に、
中学生の勉強を1年以上やっていない事を、
正直に伝えると、
高校の勉強が始まる前までに、
これだけでいいから、
やっておくといいかも(^^)
と、言われたのをきっかけに、
ようやく、
長男自ら再び勉強するようになった
のです。
久しぶりの勉強は[得意な教科]からがベスト

私の手続きミスで、
高校の教科書が届いたのは、
4月末になってしまったのですが、
教科書が来るのを待つ間、長男はそわそわして、
「早く、高校の勉強やりたい」
と、待ち遠しいようで、
待ちきれずこんな事も言ってました。
「高校の数学の問題、
ネットで見付けてやろうとしたら、
中学の時に習った[公式]を、
まず理解しないと
出来ないものがあるみたい」
「今、中学生の数学復習してた。
まず、数学をやろうと思って」
「ネットでいいの見付けたから、
それ使って、中学の復習してた」
長男は元々[理数系]が好きで、
中でも数学が得意でした。
逆に、国語と英語が苦手だった長男は、
高校の先生に、
中学生で習う[英単語]と[漢字]
数学は[公式]だけでも
やっておくといいよ(^^)
と、言われていたものの、
苦手な教科より、
得意な数学からやろうと思ったようです。
理由は、
「嫌いにならない程度に
勉強を頑張りたいから」
でした。
不登校になり、
「勉強したくない」と言い、
ずっと勉強を遠ざけていた長男にとって、
久しぶりにやる最初の勉強が、
苦手にしている国語や英語では、
また「勉強したくない」気持ちに
戻ってしまう…
と、感じたのかもしれません。
私は、長男が数学から勉強を始めたと聞いた時、
すかさず、
「いいじゃない!
数学好きだもんね!」
「おっ!いいのネットで見付けたねー!
これ、楽しく勉強出来そうだね~!」
と、長男が決めた事を思いっきり肯定し、
好きな教科なら、
少しは楽しく取り組めるだろうという、
自分の性格を熟知した良い判断に
[感心]しました。
現在の長男。[やる時はやる]スタイル

晴れて高校生になった長男は、
教科書が届いたばかりの頃は、
興味のある数学と理科の教科書を読んだり、
分からない事があれば、ネットで調べたり、
中学生時代の教科書を開いたり、
私に聞いたりして過ごしていました。
入学した通信制高校は、
通学の必要がなく、
好きな時に自宅で勉強出来るので、
現在は、
勉強そっちのけでYouTubeやゲームをして、
のらりくらり過ごしていますが、
勉強が必要な時期が来ると、
しっかり勉強するようになったので、
息子なりに、
高校の勉強についていこうと頑張ってるな…
と、感じ、
余計な口出しせずに、
影ながら応援しているところです。
中学生時代は欠席が多く、
ろくに授業に出てないため、
いくら得意な数学とはいえ、
分からない問題が何度も出てきて、
そのたびに
「これ、どうやるの?」
と、不満気に聞いてくることが
今もなおありますが、
頑張り始めた長男の手助けになるなら…
と、思い、
どんなに忙しくても、
家事の手を止めて
一緒に考えるようにしています。
子どもが勉強したくないと言った時、親はどう対応するのが正解か?

中学生に限らず、
不登校になり、勉強したくないと言って
無気力な子どもの姿というのは、
親として心配になるのは当然だと思います。
子どもの将来を心配し、
勉強させようと
つい、口うるさくなってしまう事もありますよね。
でも私たち大人だって、
疲れてぐったりしている時に
「そんな昼寝なんかしてないで
家の掃除でもしたら?」
と、言われたらどうでしょう?
「今、ひと仕事終わったばかりで
疲れてるんだから、
ちょっと休ませてよ!」
と,反論する
掃除を始めたとしても、
ブツブツ文句を言いながら
適当に済ませてしまう
疲れていながらも
頑張ってやろうとしていたのに、
先にそう言われた事で
途端にやる気が失せてしまう
そんな経験はないでしょうか?
子どもだって、同じだと思うんです。
「勉強したくない」と、言っている子どもに、
勉強させようと無理強いする事は逆効果。
子どもがイヤがる事をし続ければ、
親子の間に亀裂だって生じかねません。
親としては、
じれったくて急かしたいかもしれませんが、
ここは辛抱です!
今は休む事が必要な時期なんだ…
と、捉え、
きっと時期が来たら、
子ども自ら動き出す日が来るはず。
それを信じよう!
このように、親も
[腹をくくる事が大切]
だと、身をもって感じました。
子どもが再び動き出すため、日頃からやっておきたい事とは?

無気力だった子どもが、
再び勉強する気力を取り戻すのは、
子どもが自ら、
そろそろ勉強やった方がいいか…
よし!やろう!
そういう気持ちに目覚めた時です。
[目覚めの時]はいつやってくるのか…、
その子どもによりますが、
不登校で
無気力な状態を経験している子どもの場合、
もしかしたら目覚めるまで、
途方もない時間がかかるかもしれません。
親としては、
先が見えず、不安になるかもしれませんが、
きっと、うちの子どもは大丈夫!
口うるさく言うのは一切やめ、
お子さんを信じる事から始めませんか?
子どもが目覚めるのを、
動き出すのを[待つ]んです。
ですが、ただ[待つ]だけではなく、
日頃から、お子さんと
勉強や学校以外の楽しい会話をしたり、
お子さんが希望するなら、
マッサージをするなどの
スキンシップを取ったりして、
良い親子関係を築き上げておく事が必要かな
と、思います。
いざ、大切な進学等の話を持ちかけた時に、
お子さんが[聞く耳]を持ってくれれば、
スムーズに話を進められるからです。
そして、今まで敬遠していた
勉強・学校・進学の話をする時は、
少しでも子どもが興味を抱くよう、
大人の私たちがまず
[楽しそうに]伝える事が大切
だとも感じました。
「この高校、入学式
メタバースでやるんだって!
これからの時代に合っていて
楽しそう~!」
「ネット授業の時、
画面OFFで、
顔を見せなくてもいいし、
声もミュートに
しておけるんだって!」
長男の場合、
大好きな肩のマッサージをしてあげる
などして、良い関係を保ちつつ、
このような伝え方をし続けた結果、
あんなに
「勉強したくない」
「高校行くかどうか分からない」
と、言っていたのに、
手の平を返すように、高校に行く事を即断し、
入学が決まってからは、
勉強にも手をつけるようになったので、
その効果は実証済です(^^)
ぜひ、お子さんとの関わり方を
もう一度見つめ直す
ヒントにしていただければと思います(^^)