登校しぶりのあるお子さんは、
学校生活に不満や不安を抱えながらも、
自分を奮い立たせ、頑張って登校したり、
どうしても頑張りきれず、行けない日もあり、
大人が思うよりずっと、しんどい思いを抱えていると感じます。
そんな健気に頑張っている子どもに対し、
親はもちろん、
学校も、温かい対応で応えてあげる事が出来れば、
不登校は未然に防げるのでは?と感じるのです。
長男は、登校しぶりから不登校へ進んでしまいましたが、
学校の、良かった対応
学校の、残念だった対応
を、おすそわけしたいと思います。
[良かった対応①]学校がこっそり教えてくれた[出席扱い]対応の提案

我が家の長男は、中学1年生の終盤、
突如、背中の痛みに襲われ、
とても学校に行ける状態じゃなく、いつになく欠席が続いた時期がありました。
中学生になってからというもの、
長男は、何かと体調を崩しては、ちょこちょこ欠席していたため、
この段階で、すでに
年間欠席日数は20日近くに達していました。
欠席日数が、年間30日を超えると、
[不登校生徒]と、みなされてしまう…
と、言う事を、すでに知っていた私は
このままでは、高校受験で、長男が不利になってしまう!
何とかしなければ…!
と、不安でいっぱいな状態でした。
長男は、学校を休んで、整体に通っていたのですが、
施術後から寝るまでの間は、痛みが気にならない程度まで緩和するので、
少しでも早く学校に復帰出来るよう、頻繁に来院するようにしていました。
そんな中、なかなか登校出来ない長男に代わり、
溜まったプリントやお便りを、学校に取りに行った時の事です。
長男の欠席日数を心配した担任の先生が、
教室に行けなくても、
[保健室]や[別室]に、ちょっとでも登校すれば、欠席にならず
出席扱いに出来る
と、こっそり教えてくれたんです。
・登校時間も下校時間も自由
・自習をして過ごす
・数分来ただけで帰宅したとしても[出席扱い]に出来る
と、いうものでした。

私は、その存在すら知らない無知な親だったため、
そんな事が出来るんですか!
と、驚き、
昔の学校と違って
今は、こんなに子どもに寄り添った対応をしてくれるんだ・・・
と、感心しました。
[保健室登校]や[別室登校]について、学校としては
あまり[公]にはしていない
との事でした。
様々な事情で、教室に行けない生徒のため
に、開放しているらしく、
欠席が目立つ生徒にだけ、担任の判断で提案しているようでした。
なので、私が知らないのも無理はなかったんです。
その話を聞いた私は、帰宅すると早速長男に話しました。
長男も、欠席日数についてはそれなりに心配していたようで、
先生からの提案をすぐ受け入れ、
痛みが和らいでいる日のみ、短時間だけ保健室に登校した後、
整体に通うという日々が始まりました。
背中の痛みは、歩行や階段の上り下りに支障をきたすものだったので、
3Fにある[別室]は難しく、
[保健室]なら、玄関からすぐだから
と、いう事で、保健室を選びました。

おかげさまで、
欠席日数は年間30日を超える事なく、
少しでも保健室に登校した日は、本当に[出席扱い]にする事が出来たので、
この学校の対応は、非常に助かりました。
[残念だった対応①][保健室登校]から[別室登校]への移動を促す対応は吉か否か?

頑張って整体に通った結果、背中の痛みがなくなった長男は、
通常登校出来るようになったのも束の間、
中学2年生に進級してすぐ、今度は[腹痛]で登校出来なくなってしまいました。
この時も、腹痛が少し治まっている日のみ、
頑張って、短時間だけ保健室登校をし、出席扱いの対応をしていただきました。
しばらくの間、保健室に登校していた長男でしたが、
保健室内に用意された仕切りのある席は、ほんの4席だけだったので、
別室にすら行かれない生徒用だから、
もし別室に行けるなら、次回からそっちに行ってほしい
と、言われたのです。
長男曰く、満席になる事はなかったようなのですが、
そう頼まれてしまった長男は、
次に登校した時から、3Fにある別室に行くようになりました。
ですが、長男としては、
1Fにある保健室の方が、玄関からすぐだし、
1人1人仕切りがある席で過ごしやすかったため、
出来れば別室に移動したくないな…
と、言うのが本音でした。
ところが、頼まれると断れない性格の長男は、
本音を隠し、言われたとおり、3Fの別室に行く事にしたんです。
教室にも別室にも行けない生徒が、急に現れた時のために、
いつでも席を空けておきたかった保健室の先生の気持ちは分かります。
ですが、この時もし、
保健室登校をずっと続ける事が出来ていたら…
[たられば]の話にはなりますが、もしかしたら…、
この後、長男は、不登校にはならなかったかもしれない・・・
と、つい考えてしまう事があります。
[良かった対応②]過ごしやすい環境の[別室登校]で対応

教室に行けない生徒のための[別室]は、学校により作りが異なるとは思いますが、
長男の中学校の場合はどんな空間だったのか、おすそわけしたいと思います。
3Fの別室は、通常の教室と同じ広さですが、
3つのブースに仕切られていて、
各ブースには、少し離れ気味に、6個ずつ机とイスが用意されていました。
入室すると、空いている場所がすぐ分かるよう配置されているので、
早い者勝ちで、好きな場所に座り、自習出来るのが魅力でした。
また、入室すると、大きなカーテンが掛かっているので、
通常登校している生徒が戸を開けたとしても、
中の様子が、すぐには見えないようになっている事もまた
安心して過ごせる環境作りが出来ていて、
学校側の配慮を感じました。

ここに来る生徒は、好きな時間に来て、好きな時間に帰るので、
満席になる事はなかったといいますし、
誰かがすでに座っているブースは避け、
各ブースに1人ずつ…というパターンが多かった事は、
保健室の時と同じとまではいかずとも、過ごしやすかったようです。
手の空いている先生が、時間単位で入れ替わり、
戸付近に座って、自分の仕事をしながら見守り、
時には、分からない問題があった時、
自分が担当する教科なら教えてくれたり、
そんな[おまけ対応]もしてくれる事があったそうです。
さらに長男は、腹痛があったので、
特別にエレベーターを使う事も許され、
その子どもに適した、臨機応変な対応をしてくれたので、
私は安心して送り出す事が出来ました。
[良かった対応③]前例のない[オンライン授業の配信]を学校に依頼。[出席扱い]対応が叶う!

そんな中、腹痛で別室登校すら出来ない日が続いたある日、
家にいる長男を見ていて、危機感を感じた事がありました。
この時期は、中学2年生最初の定期テストが迫っていたのですが、
欠席した日は、腹痛で集中出来ないと言い、
勉強せず、横になったり、YouTubeなどを見て過ごすのみ。
別室登校出来た日だって、自習止まり。
授業に出ていないわけです。
テスト問題には、
授業に出ていればこそ、解ける問題
が、きっとあるはずです。
長男は進級後、ほぼ授業に出ていない状態だったので、
このままでは、テストの時、解けない問題が出てきてしまうのでは?
と、不安になったのです。
そんな時、私は長男が操作していたタブレットを見て、ふと気づいたのです。
このタブレットは、コロナウィルス対策で、学校から支給されたんだっけ…
学校に行けない日に、家で学校とつながれるよう、そもそも支給されたんだよな…
ところがこの時は、まだ支給されて2年足らずだったので、
タブレットの使い道は、
授業中に、自分の意見を書き込み、クラスで共有する
[学習アプリ]を使っての自習用
止まりでした。
まだ、学校側の対応が追いついておらず、
不登校や病気等で、家に居る生徒に対し、
オンライン授業を配信するような使い方までは出来ていませんでした。
ですが、その使い方は今の時代なら、やろうと思えば出来るはずです!

そこで私は、長男に尋ねました。
「もし、授業がタブレットで見れたら、家で受けたい?」
長男の答えは「Yes」だったので、
私は早速、担任の先生に、この話を持ちかけました。
ちょうど学校側としては[そのような使い方]を始めようと模索している段階だったようで、
実験台のような形ではありましたが、
長男が学校に行けない日の朝、担任の先生に電話をして準備してもらい、
タブレットに、授業をzoomで映し出し、
家にいながら[オンライン授業を受けた]として、
[出席扱い]対応してもらえたのです。
1つの授業が無事終わり、
次の授業である理科室に移動している最中、
長男と仲の良いお友達が、zoomに使うタブレットを運びながら
画面の向こうから、長男に手を振ってくれたり、話しかけてくれたようで、
この日のオンライン授業終了後、
長男が嬉しそうに、そう教えてくれたのが印象的でした。

学校に行けない日も、こうして
お友達とつながっていられて良いな…
私は、柔軟に対応してくれた学校に感謝しました。
[残念だった対応②]別室登校時も、オンライン授業の配信を依頼。学校側の対応が二転三転…

味をしめた私は、さらに欲張った行動に出ました。
別室登校出来た時も、
その別室にいる長男に向けて、
同じようにzoomでオンライン授業を配信してもらえないか?
と、担任の先生に交渉してみたのです。
もちろん、事前に長男の希望を聞いた上で、です。
意外にも担任の先生から、すぐOKがもらえたので、
次に別室登校出来た日に、早速zoomでオンライン授業を受け、帰宅してきました。
もちろん[出席扱い]で。
これなら、定期テストの時、少しは何とかなるかも…
希望の光が見えて、安心していたのですが、
その日の夕方、担任の先生から電話がかかってきたんです。
「zoomでオンライン授業を配信する事が出来なくなった」
と、言うのです。
在宅でも、別室でも、どちらに対しても
「出来なくなった」
…と。
理由を尋ねると、
「それなら、もう学校来なくて良くなるよね?」
と、言い出す生徒が出てくるかもしれない…という点。
「学校来る意味ないじゃん」
と、家からわざわざ出向く意味がなくなるという、ごもっともな意見
そして、これらがもたらす最悪の影響として、
zoomでの対応を、見ているうちに、
登校出来ていた子まで、登校しなくなるかもしれない…という危機感
こういった悪影響が予想出来るから…という事が却下の理由でした。
さらに、一部の先生からは、
家にいる生徒に向けてならまだしも、
別室に登校している生徒に向けてのオンライン授業配信について、
「学校に登校しているのに、
教室に行かず、別室でその授業を見るっていうのは、何か違いませんか?」
と、批判を受けたというのです。
実は、このオンライン授業配信、
学校全体の決定ではなく、
学年主任も兼ねる担任の先生が、独断で決定したものだったようで、
私から提案があった時は、[良いだろう]と判断し、配信したものの、
後になって、他の先生に色々指摘され、
「私が至りませんで…」
と、謝罪してきたのです。
「すみません…明日からはもう配信出来ないですが、
ご理解いただけますか?」
と、言われた私は、
ものすごく落胆しました。

同時に、ぬか喜びに終わってしまい、
長男が不憫でなりませんでした…。
オンライン授業といっても、
全ての教科が可能なわけではありません。
体育・技術・家庭科などの実技教科は、
配信してもあまり意味がないですし、
協力してくれる先生は、一部の先生だけでしたが、
腹痛で、行きたくても行けない長男にとっては希望だったんです。
それに、この頃の長男は、まだスマホを持ってなかったので、
唯一、お友達ともつながれる媒体でもあったんです。
その唯一の希望が絶たれてしまったのですから、
この時の絶望感は、相当なものがありました…。
学校側の意見、確かによく理解出来ます。
他の生徒の手前、
他の先生方の手前、そうせざるを得なかった…という、
担任の先生の苦渋の判断だった事も分かります。
でもその結果、
長男は、自習だけで定期テストに臨んで、やはり点数が取れず、
あんなにテストが好きだった長男が、
自信をなくし、別室登校さえ拒否し、
勉強に全く手をつけない無気力状態になってしまったのです。
もしあの時、オンライン授業を、そのまま続けてくれていたら…
また[たられば]になってしまいますが、
思い出すたびに、悔しくて仕方ない気持ちになってしまいます…。
なぜなら、この1年後、
不登校になってしまった生徒に対し、
希望すれば、オンライン授業をzoomで配信してくれるよう、
学校側の対応が180度変わったからです。
長男の時はダメだったのに、今頃になってようやくOKだなんて・・・
それを知った瞬間、私の悔しさはハンパなく湧き上がりました。
[良かった対応④]学校が決定した、前例のない[在宅で行ったオンライン学習]を出席扱いにする対応

欠席日数の事をあきらめたのか、
当人である長男は、毎日学校に行かず、ひょうひょうと過ごしていたのに対し、
このままでは高校受験の時、不利になってしまう
何とかしなくては…!
あれこれ思い悩み、疲弊していたのは私の方でした。
何で焦らないんだろう・・・
来年の今頃は高校受験だっていうのに、
自分の将来が心配じゃないの?
聞きたくて仕方ありませんでしたが、
この時の私は、不登校の子どもに対する対応をネットで学び始めていて、
こういった疑問を投げかけ、問い詰めたりする事が、
親子関係を悪化させたり、
不登校を長引かせる原因になる場合があると分かっていたので、
あえて聞かずにいました。
私が学んでいた[発達科学コミュニケーション]についての詳細はこちら ↓
長男の欠席日数が増え始めた時、
長男の実力で入学出来そうだった
[レベルの高い高校]を受験するのは、もう難しいだろうな・・・
と、すでに覚悟はしていました。
それでも、不登校状態になったこの時期は、
[出席日数]だけでも稼いでおけば、
きっと入れる高校はあるはず・・・!
長男があきらめていても、
親の私の方が[出席日数]にこだわり、必死になっていました。
そこで私は、長男の欠席が目立つようになったばかりの頃、
ネット検索で辿り着いたある広告を思い出したんです。
不登校でも、
在宅学習した分を
[出席扱い]に出来るオンライン学習
手応えを感じた私は、早速長男に提案したところ、
勉強に対し、やる気がない状態だったにもかかわらず、
1週間だけの無料体験に、挑戦する気になってくれたんです。
ですが、学校が対応してくれなければ、
長男がやる気になっても、水の泡となってしまいます。
そこで私は、担任の先生に対応可能か尋ね、
これまた前例のない事だったため、校長先生にも掛け合ってくれた結果、
対応可能にしてもらえたのです!

[在宅学習を出席扱いにしてもらえた]詳細はこちら ↓
学校が対応してくれる事になったため、
早速、1週間の無料体験を開始。
1日目のノルマを終え、感想を聞いたところ、
「まぁ、普通に簡単だった」
と、楽勝のようでした。
ところが、1つ問題がありました。
それは、解答を[自前のノートに手書きで書く事]です。
以前長男は、某学習メーカー[●●ゼミ]のタブレット学習をやっていた事があるのですが、
問題は、ネットで送られてきて、
解答は、タブレット本体にタッチペンで書き込めるものでした。
この一連の流れに慣れていた長男にとって、
今回の学習方法は、解答を手で書かなければならないので、
面倒で能率が悪いと感じ、1週間まるまる体験する事なく、
「こういうの、やらなくていいわ…」
と、途中でやめてしまい、
他のネット学習や、オンライン授業なども提案してみましたが、
勉強に対するやる気が低下中の長男が続けられそうなものはなく、
在宅学習した分を出席扱いに…という話はなくなってしまいました…(涙)

ですが、不登校の子どものため、
前例がなかった
在宅学習した分を出席扱いに
と、いう対応を取ろうと決意した学校側の姿勢は
親として、嬉しい事でした。
登校しぶりや不登校の子どもが希望する事は、出来るだけ対応して悪化を防ごう!

登校しぶりや、不登校になっている子どもは、
通常登校している子どもより遥かに、
大したことないと思うような事を、しんどく感じていたり、
必ず何かにつまづき、
学校生活が[辛いもの]になっているように感じます。
通常登校していても、
そんな思いを抱えながら、毎日頑張って登校しているお子さんだっているかもしれません。
現に、私自身がそうだったからです。
詳しくは、下の記事に書いてあります ↓
登校と欠席を繰り返しながら、何とか持ちこたえているお子さん
頑張りが効かなくなり、不登校を選択しているお子さん
こういった子どもたちを救うには、
子どもの困り事または希望をしっかり聞き、
対応してあげる事
が、その後の子どもの進む道に
大きく影響を与えるといっても過言ではありません。
子どもの[やる気]残量が、まだ残っているうちなら、
希望を叶えてもらえたという[肯定の体験]が、
子どもの肯定感・やる気UPにつながり、
登校しぶりや、不登校を未然に防げるかもしれないのです。
お子さんが望む事は、もしかしたら我が家のように
前例がない事かもしれません。
ですが、自分たち親子がその前例になれば良いと考え、
お子さんのために、後悔のないよう行動し、
学校と協力し合って[肯定の対応]をしてあげたいですね。