子どもが嘘をつく事、
出来ればやめさせたいですよね。
でも、やめさせたいからと言って、お説教ばかりになっていませんか?
私も子どもの頃は、よく嘘をつきましたが、
子どもだって、嘘をつくだけの子どもなりの理由があるんです。
嘘をついてしまって悪かったな・・・
と、反省し、子ども自ら
もう嘘はつかない事にしよう・・・
そう決断するよう導く事は可能です。
この記事では、私自身の経験に基づき、
その導き方をおすそわけします。
私もまだまだ修行中なので、
一緒に自分の中に落とし込みましょう(^ ^)
子どもが嘘をつく時とは? 対応次第で子どもは心を閉ざす?

子どもが嘘をつく時は、
私自身の経験から
誰かを守る時
が、多いと思うんです。
悪い事をしてしまった自分を守るため
かもしれませんし、
お友達を守るための[優しい嘘]
の場合もあるでしょう。
なのに、嘘をつかれた大人側が、
有無を言わさず
「嘘はいけない事だから、嘘をついてはいけないよ」
と、子どもに強いてしまったら、どうなってしまうでしょう・・・。
恐らく、そのような[圧]が掛かった正論では、
嘘をやめさせる事は出来ない、と思うのです。
最初は、嘘をついた理由を説明して、必死に弁解していた子どもも、
このような事が続けば、弁解すらしなくなり、
黙ったまま、親の怒りが収まるのをひたすら待ち、
言いたい事を言わずにこらえた分、
内にストレスを抱え込むようになってしまうかもしれません。
弁解したところで
どうせ、親には自分の気持ちを分かってもらえない
と、あきらめに近い気持ちを抱くからです。
子どもの言った事を疑わない。信じる事が子どもの心を動かす[トイレ編]

では、どうすれば子どもが嘘をつく事をやめさせてあげられるでしょう?
それは、
子どもを[疑わない]事
です。
あきらかにハッキリ分かるような嘘だとしても・・・です。
実は私自身、過去たくさんの[嘘]をついてきました。
そんな私に対し、ほとんどの人が疑ったり、正論で諭す中、
祖母だけは違ったんです。
祖母は、いつだって私の味方でした。
いつだって信じてくれました。
祖母のおかげで、私は悪い事をしてしまった時、
嘘をつかずに、勇気を出して素直に謝るよう、
少しずつ、自分を変えて行く事が出来ました。
この記事では、嘘をついた私に対し、
祖母が取ってくれた対応を
2つ、おすそわけしたいと思います。
私が小学生の頃の話です。
私は小さい頃から便秘がちで、朝、
「登校前にトイレで出してから行きなさい!」
と、いくら親に言われても
出さないまま登校する子どもでした。
登校後、何かの拍子でようやく出そうになり、
人気の少ないトイレを選んで排便したものです。
ある日の下校中、家まで徒歩であと少しという所で、
トイレに行きたくなったんです。
しかも[大]の方でした。
私は急ぎ足で歩き続けましたが、今にも出そうな危険な状態でした。
コンビニなどなかった時代なので、途中でトイレを借りる事も出来ず、
とにかく急いで家へ向かうしかありませんでした。
ところが、もうすぐ家に着きそうという時、瞬間的に感じたんです。
玄関の戸を開けて、
靴を脱いで、トイレまで行って、
トイレの戸を開けて・・・、
そんな事してたら間に合わない!
それほど危ない状況だった私は、家に着くやいなや玄関に向かわず、
玄関よりずっと手前にある、小さな庭に通じる裏戸を開けてすぐ閉め、
庭の端で排便したんです。

私が子ども時代を過ごした昭和の家は、
家や庭の周りをグルッと石垣が囲っていて、
当時、身長140cmの私の目線くらいの高さまで石垣がありました。
なので、しゃがみ込めば、四方の近所の目は全く届かず、
安心して排便出来たんです。
それに、今と違って犬のフンが電柱の脇に落ちてるのが当たり前の時代でしたから、
色んな事が[あの一瞬]駆け巡り、
私はこの行動に踏み切ったんです。
でも、当然気づいていました。
犬のフンとは明らかに違うし、
絶対バレちゃうな・・・
・・・と。
かといって、ウンチなんて絶対触りたくないし・・・。
回収する事も出来ず、結局そのまま放置してしまったんです。
そして翌日。
帰宅した私に、祖母がこう聞きました。
「昨日、庭でウンチしたかね?」
私はギクッ!として、
「ううん」
と、首を横に振り、とっさに嘘をついてしまったのです。
「犬のフンにしちゃ大きすぎるし、
大体、あんな所によその犬なんて入らないだろうしねぇ」
祖母はそれ以上、私を問い詰める事はしませんでした。
ところが、近くで私と祖母の会話を聞いていた祖父が、
「オレが自転車取りに行ったら、でっけーウンチが落ちててや。
ありゃー人間のだろ。
誰かが入って置いてくわけねーろ?
A子(私)じゃねーんか?」
と、再び私に詰め寄りましたが、
「違うって言ってんだから違うんさ。
もういいがね、拾って捨てといたから」
祖母はそう言うと、その話題を打ち切ったのです。

その瞬間、私は心の中で、
ごめんなさい・・・嘘ついて。
犯人は私なんだよ
と、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
本当なら自分で拾って捨てなければならないのに、
祖母が代わりにやってくれた事に
感謝と罪悪感が入り交じった、ぐちゃぐちゃな気持ちでした。
子どもの言った事を疑わない。信じる事が子どもの心を動かす[お金編]

もう1つ、祖母に助けられた事があります。
同じく、私が小学生の頃の話です。
私は、小学生の頃、おこずかいを親からもらっていましたが、
少ない金額でした。
あまり良く覚えていませんが、
3年生なら300円、4年生なら400円という感じだったような気がします。
小学校5~6年生の頃、
叔父さん(父の弟)が、年に数回、我が家を訪れていたのですが、
来るたびに、月1回発行される少女向け雑誌を買ってくれて、
私はそれがとても楽しみでした。
読み切りもありましたが、ほとんどが連載ものだったので、
途中から読み始めた漫画は、その前のあらすじがどんな話なのか気になり、
古本屋で、単行本を立ち読みする事もありました。
ですが、立ち読みしづらい店が多く、
なかなか読み進められずにいました。
そこで、どうしても読みたいもので
何度読んでも面白い漫画を厳選して、おこずかいから買うようになったんです。
でも、私のおこずかいは微々たるもの。
当時、古本の単行本は、1冊10円から200円近く出せば手に入りましたし、
新刊は390円ほどでしたが、
連載漫画は、全部集めようとすると結構な金額になってしまいます。
よって、私のおこずかいは、あっという間にいつもなくなっていました。
私には、続きが気になる漫画がありました。
来月おこづかいをもらったらすぐ買おう!
・・・そう思う事ももちろんありましたが、
早く続きが読みたい!早く手に入れたい!
と、いう気持ちが、私の中の悪魔を呼び起こしました。
祖母はいつも、1階テレビ部屋の棚の上に財布を置いていました。
その部屋は、家族がご飯を食べたり、テレビを見たりくつろぐ部屋だったので、
平日仕事の両親以外は、日中誰かが常にいました。
でも、トイレなどで不在になる事ももちろんあります。
私はそのスキに、祖母の財布から千円札を1枚盗ってしまったんです。

私はそのお金で、早速欲しかった漫画を買いに行きました。
満足感は得られましたが、やはり心のどこかに
悪い事をしてしまった・・・
と、いう罪悪感も、もちろんありました。
でもこの後、私は信じられない行動を取ったんです。
数週間後、また私は欲しい漫画が見つかりました。
何と私はまた、祖母の財布から千円札を1枚盗ってしまったんです。
さらに、また少し時期をおいて、
今度は、もう1ヵ所、別の場所にある祖母の財布から千円札を1枚また盗ったんです。
いつも同じ財布から盗るとバレてしまうから・・・という悪知恵が働いたのです。
このように、約2ヶ月の間に5千円、
私はお金を盗み、漫画につぎ込みました。
味をしめるとやめられない、と聞きますが、
私はまさに、その状態にはまっていたんです。
ただ、いつも財布からお金を抜き取る時、私は心の中でつぶやいていました。
私が働いてお給料もらえるようになったら必ず返すからね
盗む事は[悪い事]という気持ちは当然ありました。
ですが、そうやって[逃げ道]を作り、
後で返せば何とかなる・・・と、安易に考えてしまったんです。
ずっと2ヶ月の間、気づかれなかった事も、そんな気持ちを増長させました。
ところが2ヶ月経過したある日、とうとうバレたんです。
祖母に
「おばあちゃんの財布から、千円持っていったかね?」
と、突然聞かれたんです。
私は、ギクッとしましたが、
「ううん、知らない」
と、またもや嘘をついてしまったんです。

祖母は
「そうだろー、そんな事しねーさねー」
と、それ以上追求する事はありませんでした。
どうやら祖母は、
少し前から千円札だけが少なくなっている事に気づいていたようでした。
私は、追求されずホッとした反面、内心ドキドキが止まりませんでした。
もしかしたらおばあちゃん、お母さんに話しちゃうかな・・・
私の母は厳しい人で、怒るととても怖い人だったので、
もし、祖母が母に話した場合、
母は即、私に追求し、怖いお説教を受ける事になるだろうと想像しては、
ドキドキが止まらなかったんです。
私は数日、ビクビクしてました。
ところが、祖母は母に話さないでいてくれたのです。
私の母については、下の記事に詳しく書いてあります。
ある日、私が2階の自室に居た時の事です。
1階の部屋から祖父と祖母が話している声が聞こえてきたので、
そーっと、階段の上から聞き耳を立てて聞いていました。
話の内容が、例の[千円札]の事だったからです。
祖母「千円札だけが少なくなってるんさねー、
確かここに○枚くらい入れたと思ったけど…」
祖父「子どもが盗ったんじゃねーんか?」
私はまたギクッとしました。
ところが・・・、
祖母「子どもがそんな事するわけねーろー?」
すかさず祖母はそう言い放って否定したのです。

・・・私はその瞬間の事を今でも覚えています。
サーッ・・・と、私の中に住みついていた悪魔が浄化されたような、
そんな感覚になり、
替わりに、ハンパない罪悪感が襲ってきたのです。
私は、そーっと2階の部屋に戻り、うなだれました。
おばあちゃん、
私が犯人じゃないって疑わないでいてくれてる・・・
私、何度も何度も千円札盗んだのに・・・
私は、部屋の棚にズラーッと並んだ単行本を見て、さらにため息をつきました。
この漫画はみんな、おばあちゃんから盗ったお金で買ったもの・・・。
もう、盗るのはやめよう・・・
祖母が、孫である私を信じ切る気持ちが、
悪い事をしたり、嘘をつく私の心を清めてくれたんです。
子どもを信じ切る・疑わない気持ちを子どもに伝えよう

私の祖母は、
どんなに、私が悪い事をしても、
どんなに、私が心配かけるような事をしても、
どんなに、私が嘘をついても、
いきなり怒ったり、責めたりするのではなく、
「おやおや、皿割ってしまったんね、
ケガしなかったかね?」
「帰ってきたかね?
夕飯出来てるから着替えておいで」
[じーちゃん!A子がやりたくないって言ってんだから、
無理矢理させんなて!]
「A子がそんな事するわけねーろー」
そうやって、いつも私を心配しながらも信じ、
おおらかな対応をしてくれて、
私の一番の味方でした。

私は、色々やらかす子どもでしたが、
嘘をつくとか、悪い事をしてしまった時に、
疑わないで、無条件に自分の味方でいてくれた祖母には、
亡くなった今も、頭が上がりません。
さきほど例に挙げた
[トイレが間に合わない]事にしろ、
[お金を盗む]事にしろ、
祖母が私を疑わないで、信じてくれたから
私は改心出来たのです。
もうこんな事は絶対しない!
子ども自身が、自らそう決意する事で、
悪い事をするのをやめたり、嘘をつく事はなくせます。
悪い事をしなくなれば、それに比例して
自分を守るための嘘をつく
必要もなくなるからです。
そう決意してもらうために、
まず、大人である私達が
子どもを[疑わないで信じる]事が大切だと、
祖母から身を持って教えてもらいました。

現在、私は結婚して子どもが2人いますが、
私の目指す母親像は、まさに[祖母]なんです。
理想の母親像については、下の記事にも書いてあります。
次から次へとやってくる様々な子どもの問題に、
祖母のようには上手く出来ず、苦労する事もありますが、
誰よりも私が子どもの味方になるんだ!
と、いう気持ちがあれば、
無条件に子どもを信じ切る事につながるはずです。
そうすれば、そんな気持ちが子どもに伝わり、
悪い事をしてしまった時、素直に謝れたり、
嘘をつかない、まっすぐな子どもに成長するのではないでしょうか・・・(^^)