もし、子どもが
「高校に行かない」と、言い出したら
すんなり受け入れられる人は
なかなかいないのではないでしょうか?
中学生時代
登校しぶりや不登校を経験した子どもは、
もしかしたら、この発言が出る可能性が高い
かもしれないですし、
通常登校出来ていた子どもでも、
高校生になってから、何らかの理由で
高校に行かない選択をする場合も
あると思います。
自分の子どもが
[高校に行かない]という人生を選んだら
親の私たちは、どう対応すれば良いのか
実際
[高校行かないかも]発言
をした長男の時は、どう対応したかを
おすそわけしたいと思います。
不登校期間中に出た[高校行かないかも]発言! この時、親は?

別に、高校行かなくても
中卒でも大人になってる人
いっぱいいるでしょ?
長男から、この発言が出たのは
中学2年生の冬。
不登校になり、3か月が経った時でした。
…衝撃でした。
中学校だけでなく、
高校すら行かないかもしれない
とも取れる発言でしたから…。
この時期の私は
翌年の高校受験で、長男が不利にならないよう
増え続ける欠席日数を何とか出来ないものかと
奮闘している最中だったので、
この長男の衝撃発言は、そんな私の努力を
一瞬で打ち砕くものでもありました。
いやいや!
高校は行っておいた方がいいよ?
中卒だと、大人になった時に
雇ってもらえる所があまりないかもよ?
以前の私だったら、このように返し
ネガティブ&余計なおせっかいが
止まらなかった事でしょう。
もし、そのセリフを言っていたら・・・
恐らく、長男は私に対して心を閉ざし、
現在のような
本音を遠慮なく言えるような親子関係に
なる事はなかったかもしれません・・・。
ですが、少し前から始めていた
[発達科学コミュニケーション]という
子育ての学びのおかげで、
たとえ、子どもが
どんなに、意外な事を発言しようと
どんなに、
好ましくない行動を起こそうと
そのまま受け止めたり、上手くかわして
否定だけはしないよう、心掛ける
ようになっていた事が幸いし、
うん、確かに芸能人とか
中卒で活躍している人多いよね
と、[共感]だけして
否定しないように対応しました。
私が学んだ
[否定をなくし肯定を心掛ける]事についての
詳細はこちら ↓
高校に行かない子どもの人生を受け入れるには?[常識]との葛藤

長男に対しては
そうやって穏やかに対応出来て
ホッとした私でしたが、
心の中は真逆で、ざわつきが止まりませんでした。
[高校に行かない]選択は、この時の私には
まだまだ受け入れがたい事だったからです。
元々私は、自分の学生時代の経験から、
[レベルの高い高校]じゃなくても
長男が
無理なく楽しく通えそうな高校なら
どこでも良いと思っていました。
学生時代しんどかった経験談については
こちら ↓
でも、高校に行かないとなると…
中卒で雇ってもらえる企業に就職する
就職もせず、ニートになる
自分で起業する
何にせよ、大人になった時
苦しい立場になると予測出来るので、
すんなり受け入れるなんて
とても出来ない!
と言うのが本音でした。
実際、世の中はまだまだ
高校は、行くもの
という[常識]が
当たり前に存在していますし、
長男を、その[常識]から
外れないようにしてあげなきゃ・・・
と、言う思いもありました。
ですが、
[発達科学コミュニケーション]を学ぶうちに
その[常識]って
本当に長男の人生に必要?
と、いう疑問が
次第に私の中で膨らんでいったんです。
そして、そんな私より一足先に疑問に思い、
常識のレールから[外れる人生]を
選択肢の1つとして考え始めたのが
他でもない[長男]だったのです。
高校に行かない可能性を受け入れられるようになった私。親も常識を手放す覚悟を!

この時期の長男は、
不登校状態が長引いている事に焦るかと思いきや
全くそんな事はなく、
むしろ
もうちょっと焦ってもいいんじゃない?
と、心配になるぐらい
落ち着いて過ごしていました。
欠席日数にこだわり、焦っている私と正反対で、
長男は、目先の欠席日数うんぬんに
囚われる事なく、
もっと先の人生の事まで
冷静に見据えていたのです。
だから、不登校状態な事を焦ったり
欠席日数を気にする事なく
淡々と過ごせていたんだ…と気づいた私は、
長男の大人びた冷静な姿勢に、まず驚きました。
そんな長男の姿を見るうちに、
高校に行かないかもしれない
と、いう件については、
私の中で少しずつ変化し
とんでもない問題だ
と、受け入れられなかった状態から、
長男の人生だし
高校以外にも進む道は、きっと
何かあるはずだよね
と、前向きに考えられるようになりました。
もちろん、受験や進路について
気にはなっていましたが、
まだ高校受験まで日がありすぎて
実感が沸いてないだけで
いよいよ近くなれば、
もしかしたら気持ちが変わったり
動き出すかもしれない…
そう感じてもいたので、
まだ時期尚早と踏んだ私は、これ以降
受験は、どうするの?
高校行かないって言ってたけど
結局、どうするの?
など、干渉する事を一切やめ、
来たるべき時が来るまで
その話題には触れないようにしました。
いよいよ高校受験時期迫る!長男の高校に対する気持ちの変化

中学3年生に進級した長男は
変わらず不登校を選択し、
三者面談すら行くのを拒んだため
母1人で行く事になっていました。
長男の中学校では
3年生になると進路について相談するため
三者面談が年3回(7月・12月・1月)あり、
そのたびに、担任の先生から
今後について尋ねられます。
そこで、7月の面談直前、
私は半年ぶりに
卒業後はどうしたいのか、長男に尋ねましたが
まだ、高校行くか分からない
何にも考えてない
と、まだ時期尚早のようで
半年前と、さほど変化がない状態でした。
そんな長男でしたが、12月の面談直前
変化が訪れたのです。
この時期は
ほとんどの生徒が自分の成績を踏まえ
志望校の絞り込みをする時期です。
進路説明会が開催されたり、
周りが受験に向けて慌ただしくなっている事を
ひしひし感じ、
長男にも
そろそろ真剣に考えてほしいな…
と感じた私は、長男にこう尋ねました。
この時期、みんな
どこの高校を受験するか決めるんだけど
K(長男)は、どうしたいと思ってる?
すると、長男は少し考え、
んー、
受験勉強しないと入れないようなとこは
行かない
1年以上勉強してないから…
この言葉を聞いた私は、まず最初に
とても嬉しくなりました。
なぜなら、
今までの長男は考える事すら面倒がって
分かんない
まだ、考えてない
ばかりでしたし、
高校に行くかどうかすら
分からない状態でしたから
高校には[行く]事にしたんだな…
と、察知し
やはりホッとしている自分がいました。
何より、
自分の進路について
考える気になってくれた事が
一番嬉しかったです。
事前に用意しておいた資料の出番!一瞬のチャンスから急加速した長男の進路

ですが、少し前までは
別に、高校行かなくても
中卒でも大人になってる人
いっぱいいるでしょ?
と、言っていた長男が
どうして気持ちが変わったのか疑問に感じ、
ストレートに長男に尋ねたところ
高校くらいは
行っといた方がいいんじゃない?
まるで他人事のように淡々と答えてくれましたが、
やっぱり、中卒じゃあマズイよな…
と、感じたようです。
なるほど、そういう結論に至ったんだな…
と、納得出来ました。
「受験しない」発言に関しては、
想定内だったので、全く驚きませんでした。
実は、長男が完全不登校になり
勉強したくない…と言い出した頃から、
筆記試験が必須の公立高校・私立高校は
希望しないかもしれない
と、予想していました。
希望するとしたら、
筆記試験を免除してくれたり
柔軟に対応してくれそうな
[通信制高校]かな…と。
なので、中学3年生に進級しても
全く登校する気配がない長男を見て、
気になった通信制高校のパンフレットを
こっそりいくつか取り寄せ、
長男に見せる時が来たら、すぐ取り出して
説明出来るよう目を通していました。
通信制の高校にすら
行くか行かないか、定かではないにしろ、
親として
長男が選択する可能性が
少しでもあるものは
準備しておきたかったのです。

さきほどの
今までとは明らかに違う長男の言葉を聞いた私は、
進路について相談するチャンスは
今だ!
と、感じ、
公立高校と私立高校は、
受験して、合格すれば入れるところで、
通信制高校は、
受験しなくても、入れるところ
いっぱいあるみたいだよ
と、ざっくり伝えました。
すると長男は、
じゃあ、通信制がいい
…即答でした。
了解!
通信制ってね、いーっぱいあるんだけど、
入学式がネットで参加出来るとこもあるし
きっと、Kが気に入るところあると思うよ
ちょっと、今見てもらえるかな?
私も即、長男に話を持ちかけたのです。
ちょうど、長男が私に肩のマッサージを頼み、
ある程度やってあげて
リラックスしていた時に
話を持ちかけたのが良かった
のかもしれませんが、
学校から配布された
公立・私立高校に関するパンフレット、
そして、私がネットでかき集めた
通信制高校のパンフレットを
見てもらう事が出来たんです。
じゃあ、これもこれも…、
これも受験が必要だから除外だね
私が、受験が必要な
公立・私立高校のパンフレットを
次々とポイポイ横に置き、
残った通信制高校のパンフレットを
長男の目の前に、とりあえず
1校分だけ置きました。
どんなとこがいいとか希望ある?
例えば、登校は週1日がいいとか
月2回だけとか
学校によって違うみたいだよ?
すると、長男は自分からパンフレットを手に取り、
んー、登校は1番少ない所がいい
行事もない方がいいし
泊まりでどこか行くとか、絶対ヤダ
と、自分の希望をしっかり教えてくれたのです。
結局、数ある通信制高校のパンフレットの中から
長男の希望を満たす高校は[1校]しかなく、
唯一満たす高校というのが
長男の目の前に、さきほど置いた
パンフレットの高校でした。
長男は、サラッとパンフレットを見て
私がざっくり説明したのを聞いただけで、
ここでいい!
ここしかないから、もう決まりで!
…あっけなく
[即決]してみせてくれたんです。
嬉しい前言撤回!高校に行く人生を選択した長男

OK!決められたね!
この高校いいよね!
お母さんもいいと思ってたよー
私は、長男がどの高校を選択しようと
否定せず、長男の意思を受け止め、
賛成し、協力しようと思っていたのですが、
長男が選んだこの通信制高校は、なんと
私が事前に
この高校を、選ぶかもな…
と、予想していた高校でした!
実はその高校、
長男の性格や、今までの言動などから、
ここなら
入学する気になるかもしれない・・・
と、感じていた高校で、
長男に、通信制高校のパンフレットを
見せる時が来たら、
いの一番に見せようと思っていました。
なので、数ある通信制高校のパンフレットの中で
一番最初に見れるよう
先頭に置いておいたのですが、
本当に、この高校を選んだか!
…と、あまりの出来すぎな事態に、
嬉しいやら
準備しておいた甲斐があったという達成感やらで
気持ちがお腹いっぱいでした(^ ^)
長男に尋ねたところ、
入学願書などの手配は
私にやってもらいたいとの事だったので、
高校と連絡を取ったり
入学するために必要な事前準備に関しては
私がメインで進めていきました。
ただ、願書に貼り付ける[写真]だけは
自分で撮る
と、言い、
三脚を自室内に立てて、自分で撮影し
願書の準備を一緒にしてくれた時は、
本当に
高校に行く気になったんだな…
と、こみ上げてくるものがありました。
高校に行く・行かない どちらでも大丈夫な気構えでいよう

高校に、行かないかも・・・
と、散々言っていた長男は、結果的に
[行く]選択をしましたが、
[行かない]選択をする子どももいると
思います。
中学生時代、不登校だった子どもの場合
親としては
これからの3年間も
また同じような生活が始まるのか…
と、落胆してしまう方は多いかもしれません。
ですが、子どもがその選択をしたのなら、
落胆した気持ちは、一旦横に置き
まずは子どもが選択した事を
穏やかに受け止めてあげてほしいです。
満面の笑顔である必要はないと思いますし、
落胆した気持ちさえ
子どもに伝わらなければOKです。
もしかしたら、
一生懸命考えに考えて出した結論かも
しれないし、
自分を守るため
仕方なく出した結論かもしれないのです。
ここで、落胆した表情や口調で対応してしまうと、
子どもは、自分の出した結論は
[ダメな事]と感じ、
高校に行かない事に、ただでさえ
[罪悪感]や[ひけ目]を感じているのに、
もっと重圧を感じながら
生きて行く事になるかもしれません。
さらには
自分の気持ちを人に伝えるのを恐れるようになり、
本音が言えなくなったり、
自分は、高校にも行かない
ダメな人間なんだ…
と、自信が持てなくなり、
生きている意味さえ見失ってしまう
場合だってあると思うんです。

不登校を経験している場合
[自己肯定感]が、すでに
とっても低くなっている子どもが多いと聞きます。
追い打ちをかけるように、
さらに[自己肯定感]を低くしてしまうような
対応は避けたいですね。
この[自己肯定感]を
少しでもUPさせるためには、
私たち大人が
高校に[行く][行かない]
どちらだとしても
子ども自身が決めた事を
否定せず、肯定する
これが一番大切なんじゃないかなと思います。
大体、子どもの人生なのに
周りの大人が「あーだ、こーだ」と意見するのは
子どもから見たら
ただの余計なお世話に過ぎません。
今は「高校に行かない」と言っている子どもも、
自分の未来を考えた時に、
やっぱり、高校には
行っておいた方がよさそうだな…
と感じれば、きっと動き出すと思いますし、
今の世の中、様々な事情で
1年遅れて高校に入学し、
1学年下の人たちに溶け込んで、仲良くやっている
という話も、ちらほら聞きますので、
動き出した時期が遅くなったとしても
何とかなります!
[引用]
高校以外の選択肢について、
とても詳しく掲載されているリンクを
2つご紹介します!
結局、高校に行かないまま
3年が過ぎてしまったとしても、
今や、選択肢は色々あります。
行かなくても
進める道はたくさんあります。
まずは、子どもを信じて待ちましょう!
信じる事が出来れば
不安な気持ちが薄らいでいき、
ドンと構えていられるようになりますよ(^^)